Africa想い出部屋

あなたなら大丈夫!

この件、もう時効かなぁ。

もう随分と、随分と、随分と昔のことと思ってください。
そして、読んだ後は忘れてください (^o^)ハハハ

某年某月、東アフリカ某国にて

それはもう昔々、遙か昔の出来事でございます。 (^_-)-☆

若く美しい友人と連れ合いと私の三人でサファリに出たいと、手頃な値段のツアーを探していました。

以前に親友が働いていたツアー会社を訪ねたのですが、もうすでに左前になっていたその会社には、知り合いは誰も残っていませんでした。そして、自社企画のツアーもありませんでした。
応対してくれた女性スタッフは、別な会社がやっている格安ツアーがあるからそれで行ったらどうかと薦めてくれました。でも詳しく話を聞くと、それは居住者向け、現地の人向けの価格だと言うのです。

「残念だけれど私は居住者じゃないから」というと「なんで? そんなに話せるんだもの、居住者だといって行けばいいのよ。あなたなら大丈夫よ!」と。

そして連れ合いにも「何も問題ないわよ。こんなにスワヒリ語が上手なんだから」と言いながら、その別な旅行社に連絡をしてくれたのです。

その足でくだんの旅行社を訪ねると、そこでも同じように「あなたなら問題ないわ。居住者と言えば大丈夫よ。ゲートで何か尋ねられたら、自分で話せば絶対大丈夫よ」と言ってくれる。

そしてとうとう私は誘惑に負けて、そのツアーに申し込みました。

ツアーとは言っても、乗り合いのツアーではなく、私たち三人だけの個人旅行です。
行きたい日取りを告げてブッキングして貰い、代金を支払って戻りました。


サファリ当日

出発当日、予定通りにドライバーが迎えに来てくれました。
ドライバーは、事務所から私のことを聞かされていたようでした。

友人は初めての国立公園行きですからウキウキとしていますが、私は何となく不安。。。
しかし、いよいよゲートが近づいてきました。もう腹をくくらねば。エイヤッ↑(/>_<)/

ドライバーに「ゲートで何か言われたら私を呼んでね、自分で話すから」というと「ええ、分かっています。呼びに来ます」という。

ゲートに到着。ドライバーは手続きに向かいました。そして車の周りにはお約束の土産物売りが集まってきました。お土産を眺めながらもゲートに目をやっていたら、ドライバーが戻ってきました。

「ダメって?」
「ええ。あなたに来るように言ってます」
「分かったわ。言って話してくるわ」
連れ合いの日本語での「頑張って」という声を背中にゲートに向かいました。

Habari zenu? と係官たちに声をかけると、あまり愛想のよくない返事が戻ってきて、どこに住んでいるのかと聞かれました。
地名を応えると、居住許可証を出せと言われました。

さぁ、一本勝負! 行くぞ!!

Nimeiacha nyumbani
Bwana aliniambia nibebe,
lakini wakati wa kuondoka
nilikuwa ninamharakisha yule mtoto,
nikasahau.

Kwani msichana hana haraka,
anajirembesha tu.
家に忘れて来ちゃいました。
旦那からは持つようにと言われてたんだけれど
出かけるとき
あの娘を急かしていて
忘れてきてしまいました。

だって、あの娘は急ぎもしないで
身を構ってるんですもの。

係官は車に乗っている若くて美人の私の友人をチラッと見てから Sawa. いいよと言ってくれました。

Asanteni! ありがとうございますと言って車に戻り、さぁ、出発! (*^-^)ニコ


よい子の皆さんは真似しないでくださいね (^_-)-☆

このスワヒリ語の台詞、しばらくは連れ合いと私の流行語になりました。

そして、今は楽しい想い出になっていますが「あなたなら大丈夫!」なんて口車に乗ってしまって、かなり精神的にしんどい旅行でした。

それにしても、旅行社のスタッフってあっけらかんとしていますね。
まぁ、自分の損にならないからかもしれませんが。

そういえば、ケニャでもタンザニアでも、この手の経験は結構何度もしたように思います。
みんな本当に優しいのです、自分の損にならない限り。