Africa想い出部屋

Pilau (ピラウ)、Biriani (ビリアニ)

アフリカ・アラブ・インド風の炊き込みご飯

お米は、東アフリカでも主食の一つです。
西洋料理のような付け合わせとしての扱いではなく、日本人が言うところの主食です。

スワヒリ語で総称して言う 「ムチューズィ」、 つまり東アフリカ風シチューをかけてカレー・ライスのように食べます。
これが [褻(け)] の食べ物だとすると:

「晴(はれ)」の食べ物、それがピラウとビリアーニです。
一口で言えば、アフリカ・アラブ・インド風炊き込みご飯です。

ピラウ (アフリカ・アラブ・インド風炊き込みご飯)

材料; 米 1キロ
ニンニク 1かけ
コショウ 小さじ 1/2
クミン 大さじ 2
ショウガ つぶしたもの 大さじ 2
ギー (又は、ショートニング、マーガリン、バター) 大さじ 2
タマネギ 2
カルダモン 6粒
シナモン・パウダー 小さじ 1
クローブ・パウダー 小さじ 1/2
肉 1キロ
トマト 大 2
塩 大さじ 1
作り方; 肉は大きめの一口大に切り、茹でておく。
米は洗ってざるにあげておく。
タマネギの薄切りとニンニクのつぶした物を炒める。
上記のスパイス全部の半量を加える。
肉も加え、炒めあわせる。
米を加えさらに炒める。
お肉の茹で汁と水、約2リットルほどを加える。
混ぜ続けて、水が少し減ったら残りのスパイスを加えさらに混ぜる。
ある程度水分が減ったらギーを加える。
蓋をして、水分が無くなるまで約30分ほど炊く。
トピック; スープを入れてからもなお混ぜ続けるこのレシピは、日本人には若干抵抗があるかも。また、このスープの量は、日本人の感覚では相当に多い量です。
このとき、通常の水加減のスープにして、炊飯器で炊きあげるのが安心です。

イージーピラウ (簡単ピラウ)

材料; タマネギ 中 1
ニンイク 1かけ
シナモン・パウダー 小さじ 1/2
ショウガ つぶしたもの 小さじ 1/2
塩 適量
サラダ油 大さじ 3
チキン・ブイヨン・キューブ 1
米 カップ 2
水 カップ 4と1/2
作り方; タマネギの薄切り、ニンニクのつぶしたもの、シナモン、ショウガに塩を加え、強火で炒めあわせる。
チキン・キューブをつぶして加える。
お米を加えてよく混ぜ、さらに数分間炒める。
水を加え、火を弱めて約10分間炊くが、この間蓋はしない。
火から外して、余分な水分を流し捨てる。
きっちりと蓋をして火に戻し、さらに15分ほどで炊きあがるが、この間は蓋を開けないこと。
トピック; こちらは、かなり荒っぽい炊き方という印象を受けるのではないですか。日本人には思いもつかない炊き方です。
でも、水加減を気にしなくて良いので楽勝です。
このレシピにお肉を加えてもむろん大丈夫です。
このピラウは、このまま食べるというよりは、おかずを添えて食べるピラウです。内輪のホーム・パーティーでは、このタイプが、チャパティなどとともに、ムチューズィと一緒に用意されることも多いです。

ビリアニ (アフリカ・アラブ・インド風炊き込みご飯)

材料; 米 1キロ
ショウガ 1かけ
パパイヤ 熟れてないもの 1 (なくてもよい)
トマト・ペースト 小 1缶
タマネギ 3
コショウ 少々
クミン 大さじ 3
ギー (又は、ショートニング、マーガリン、バター) 大さじ 4
酢 大さじ 3
塩 大さじ 1
肉 1キロ
クローブ 少々
ヨーグルト 1リットル
カルダモン 6粒
ニンニク 1かけ
シナモン・パウダー 大さじ 1
トマト 大 4
バニラ・エッセンス 適量
食紅 (オレンジ) 少々
作り方; 肉は一口大に切っておく。
米は洗っておく。
肉を乾かす程度に炒めるが、火が通らないように。
米とカルダモンを炊き始めるが、炊きあがってしまわないように。
パパイアの実をくりぬき、ヨーグルト、トマト・ペーストと混ぜ合わせる。
これと、タマネギ 1、ニンニク、ショウガを合わせてミキサーにかける。
タマネギ 2を薄切りにし、きつね色になるまで炒めた物を加える。
油少量を熱して、肉、トマトのあらみじん切り、ヨーグルトを炒め混ぜる。
塩を加え、肉に火が通るまで炒める。
この上に八部通り火が通った米を移し入れるが、混ぜてはいけない。
食紅の水溶きを鍋の面積の半分ほどに静かに振りかける。(出来上がりが、オレンジ色と白の二色になるように)
鍋に蓋をし、炊きあげる。
トピック; 食べるときは、まずご飯の部分を盛り分けて、その後お肉の部分を取り分ける。
ヨーグルト入りのピラウというところ。

ワリ・ワ・ナズィ (ココナツ・ミルク入りご飯)

材料; 米 1キロ
ココナツ・パウダー 1袋
塩 小さじ 1
水 2リットル
作り方; ココナツ・パウダーをぬるま湯で溶いておく。
米は洗っておく。
水にココナツの水溶きを半量ほど加えて、沸かす。
沸騰したら米と塩を加え、時々混ぜながら炊くが、時折お米を噛んでみて炊き具合を見る。
九部通り火が通ったら、残りのココナツ・ミルクを入れ、混ぜながらやや乾いた状態になるまで炊く。
火を小さくして完全に炊きあげる。
トピック; このレシピも、このままでは抵抗があるので、すべての材料を混ぜ合わせて、炊飯器で炊く方法を採った方がよい。
カレーとよくあう美味しいご飯だが、ココナツ・ミルクの替わりにショートニングを入れたりもする。

ピラウ好きの独り言

ラマダン(断食月)あけ、結婚式等のお祝い事、親しい人が集まるパーティ、そんな様々なシーンで必ずと言っていいほど用意されるメニューが、ピラウです。
各家庭でそれぞれ違うレシピですが、昔の日本の喫茶店のピラフと違い、ご飯を炒めたものではなく、肉や野菜と一緒に炊いた、炊き込みご飯というのが共通です。

ビリアニは、一言でいえばヨーグルト入りピラウ。こちらの方がよりスワヒリ的なのか、モシの親戚でこれを作る人はいませんでした。モシに住むチャガ人は、自家製ヨーグルトを好んで食べますが、料理に使うことはなかったように記憶しています。

初めてタンザニアへ行ったとき、夫の遠縁にあたる人のお宅に招かれました。下働きの男の子が、鶏を追い回していて、そのまま裏庭に消えていきました。暫くして、異様な声が聞こえて、、、。事態の想像は付きました。
ビールやチャイを飲みながら時間が過ぎて、やがて美味しそうなピラウが運ばれてきました。鶏肉のピラウでした、やっぱり。
庭で走り回っている鶏ですから、美味しいことこの上無しでしたが、あれほど新鮮なお肉はそのときまでの長い人生でも、食べたことはなかったですね。

私のピラウのレシピは上の物とは少し違いますが、それは炊飯器を使って炊くからです。その私のピラウは、親戚の男性群の中では美味しいと評判でした。ある時、ダレサラームに住む一族が集まってパーティーをしようということになりました。メニューを決めるとき、誰言うとなく、私のピラウが食べたいということになったのですが、私は、1.8リットル炊きの炊飯器で、7カップほどのお米を炊くのが最高の量です。お手伝いさんや子守さん、下働きの男の人まで入れると100人をゆうに越えるパーティーのピラウなんて、タライよりも大きなお鍋で炊くのです。そんなもの、私に出来るはずもありません。結局義姉妹達が大鍋で作り、私はそのそばでブラブラ見学を決め込んでいました。
こんな機会に、女の子達はお料理を覚えていくようで、姉たちは、子供達に出来そうな仕事を上手に与えていきます。お鍋の番をさせたり、スパイス類を臼でついたりとか、半分遊びながらも、子供達は確実に仕事を覚えていくようでした。

タンザニアにいる頃、オーストラリア米が手に入ったことがありました。私にとっては美味しいお米でしたが、うちのお手伝いさんはそのご飯を嫌がりました。曰く「べったりとくっついて、全然美味しくない」そうです。日本人にはぱらぱらでまずいご飯が、彼女には美味しいそうで、味覚の差という物を実感しました。

そのオーストラリア米ですが、私はたまたま夫の友人の計らいで、20キロだったかの大袋を二つも手に入れてラッキーでした。政府の配給米の価格で買えたのです。このお米、うちのお手伝いさんもいうとおり、タンザニア人の間では評判が悪かったようで、最初に街に出回ったとき(私はその前に手に入れていました)、買い手が無くて配給価格で出ていたそうです。
ところが、その数日後、日本人がオーストラリア米を探しているといううわさが立って、即、価格が跳ね上がりました。
需要と供給の原則通り、人気のある物は闇値になります。