nyamburraって?
ニャンブーラというのは、私の名前です
といっても、むろん本名ではありません。
私は日本国・外務省発行のパスポートで旅行している日本人ですから。
ただし、苗字はカタカナです。
じゃぁ、この名前はどうしたのかって?
自分で付けたんです!
斯く斯く然然
名前というものは、親からもらう最初の贈り物。私にもとても素敵な名前が付いています。
私が生まれたとき「大変美しい子であったため、親が悦んだ」から付いたと、広い世界でただ一人、私だけが思っている素敵な名前です。
じゃぁ、なんでnyamburraなのかって? それはですねぇ、こうなんです。
ケニャへ通い始めた頃、日本語を話すガイドさん達は私のことを「エッチャン」と、ドライバーさん達は、私の旧姓から「MOTO」と呼んでいました。
どちらの呼び方も好きでしたから、ロッジのウェイターさんに名前を尋ねられても、これらの名前を答えていました。
やがてスワヒリ語の勉強を始め、めきめき上達(関西名物、大ほら吹き!)してきた頃、サファリの途中に立ち寄る土産物売りのお店で、スワヒリ語をしゃべりまくっていました。
あぁいうお店の売り子さん達って、キクユの人が多いのです。
それで、私をからかって、「スワヒリ語上手じゃない! あなたの名前はワンジーロなの?」と言ってくる事が、何度かあったのです。
ワンジーロもニャンブーラも、ケニャのキクユ人の女の人の名前です。
特にワンジーロは一番多い名前です。
東アフリカでは、子供のいる人に呼びかける時、相手に対して敬意のある言い方は、その人の名前そのもので呼びかけるのではなく、子供(多くの場合長子ですが例外もあります)の名前を使った、○○のお父さんとか、××のお母さん、というような呼び方です。
私たちがよく言う冗談に、「ナイロビの街角で大声でババ・シーロ(ワンジーロのお父さん)と呼んだら、5人に1人は振り向くだろう」というのがありますが、それほどワンジーロは多い名前なんです。
それで土産物屋の売り子さん達がジョークで、「あなたはワンジーロかい?」って言ってきていたのです。
最初の頃こそ、ただ「違うわよぉ」と答えていましたが、関西人の芸風(?)としてこれでは情けないと、ある時気づきまして、一丁やってしまったのです。
「ワンジーロは私のお母さんよ。私は、ニャンブーラ!」
これが受けた、受けた。「ちょっと、聞いてよ! この人、ニャンブーラだって。お母さんはワンジーロだ、って言うのよ」という具合に、隣の売り子まで加わって、大受け状態。
そんなことが何度かあって、それからずっと、nyamburraが私の名前になっています。