Africa想い出部屋

人種(?)差別反対!

世の中には、あってはいけないはずの『差別』がたくさんあります。
悲しく辛い思いで生きている人たちが、世界中にまだたくさんいます。

アフリカとの関わりの中から、交友関係から、自分自身の出自から、差別があってはならないと、差別することも、差別されること、もあってはならないと強く思っています。

そんな私が差別されました。。。

2008年7月 ケニャのIsioloにて

純真青年・一路君と連れ合いと私の三人で、サンブル国立保護区に向かっていた。

この保護区は北半球に位置するため動物相も違うし、ヒョウやチータの遭遇率も、私個人としてはほぼ100%という高い確率だったので期待満々のSafariだった。

Thika、Mranga、Nanyukiと過ぎてIsioloに到着。
ここがSamburuへのゲートウエイで、ここで保護区への立ち入りの登録をすることになってる。

手続きはドライバーがするので、私たちは車に残って待っていた。
そしていつものことながらたくさんの物売りが車を取り囲んできた。
木彫りやビーズ、アンバーなどのお土産物だけでなく、バナナなどの果物を持った人も大勢いる。

中の一人、ソマリア系のきれいな顔立ちの人が私の側の窓に来てバナナを見せた。
日本でモンキー・バナナといって売っているような小さなバナナで、おいしそうに見えた。
「ねぇ、あのバナナ、値段聞いて安かったら買って」私は連れ合いに日本語でそういった。
彼女は連れ合いに呼ばれて彼の側の窓に回っていった。
そこで値段を尋ねられた彼女、なんて言ったと思います!?

「あんたなら50シルだけど、欲しいのはあんたじゃなくってあの人(私)だからね。あの人だったら80シルだよ。あの人に80シルだといってよ」と、ちょっと訛りのあるスワヒリ語で言いました。

連れ合いが、「違うよ。私が買いたいんだ。50は高いよ」というと、「あの人があんたに頼んだじゃない。知ってるわよ、そんなこと。あの人だったら80シルよ」


Kuna ubaguzi? 差別があるの?

いやぁ、もう黙っていられません。これは絶対にからかってやらねば (^o^)ハハハ

He! Kumbe kuna ubaguzi? Sikujua.  ええ、差別があるの!? 知らなかったわ。
Ubaguzi ya nini? Ni ya rangi au ya nini? なんの差別? 人種差別、それとも何差別?

そのソマリア人のおばさん(といっても私の半分ぐらいの年の人だけれど)、大きな目をさらに大きくしてびっくりしていた。そして;

スワヒリ語を話す人だって知らなかったのよ。知ってたら高い値段はいわなかったわ。あなたは兄弟だから50シルでいいわ。

その後彼女は様々に私をなだめにかかったが、もう買う気は失せてしまった。
「そんなこと言わないで買ってよ」と、まだ彼女が食い下がっているうち、手続きが終わったドライバーが戻ってきたのでそのまま買わずに出発してしまった。


ナイロビに帰る日

帰り道もIsioloを通る。ドライバーが保護区を出る手続きをしている間、また往きと同じ場所で車を止めて待つことになる。

「あの人、いるかな?」私と連れ合いは再度の接近遭遇に期待満満であった。

ドライバーが車を離れたとき、私は彼女を見つけた。
「来たらおもしろいね」と連れあいと話していると、来た、来た! (^o^)ハハハ

窓からのぞき込んだ彼女、私を覚えていて、「あぁ、この人だ。今日は買ってよね」という。

Shilingi ngapi? いくらなの?と尋ねると、

Kama ni wewe, shilingi 50, kama huyu.

Hata! Hiyo bei bado ni ya watalii.

Bei yako ni ngapi?

Chukua shilingi 30.

Nipe 40.

A, a! Zaidi sitaki.
あんただったら、この人(連れ合い)と同じで50シルよ。
だめよ。その値段はまだ観光客用じゃない。

いくらだったら買うの?

30シルにしといてよ。

40シルちょうだいよ。

30以上は嫌よ。

なんてやりとりの末、結局30シルでゲット ~\(^-^)/バンザーイ


これはゲーム

純真青年・一路君は、私の値切りように驚いていたようです。

ナイロビ在住の友人などは、私が値切ると「お金持ってるくせに払ってやんなさいよ」とか宣う。

でもね、値切るのは一つのゲームだし、売り手も買い手もそれを楽しんでいるはず。
いや、もしかしたら楽しんでいるのは買い手だけかもしれないけれど。

それでも、損してまでは売らないでしょう。
車が出るとき Safari njema 気をつけて と言ってくれるうちは、まだまだ儲けがあるはず。
(^o^)ハハハ


それに、差別はいかんでしょう!
確かに格差はある。現地の一般人、サファリ関係の人(ガイドやドライバー)、金持ちの現地人、観光客と現地在住の(金持ちの)外国人というような並びで豊かさに差があるのは事実だから、それで値段が違うのも、一概に悪いとはいわない。

でも、目の前で言われたら、少なくとも私はその言い値では買えない。

で、このバナナの購入価格30シルは高いのかどうか。連れ合いと二人で;

ナイロビの下町で買うとしたらたぶん20シルぐらいじゃないかなぁ。でもそれには運送料も入っているので、ここで30シルというのは悪い値段じゃないよね。
という結論に達した。

そう、あのソマリア人の女性だって、車が出るとき「今度来たらまた買ってね」と言ったもの。
(^_-)-☆