Africa想い出部屋

Maandazi (マーンダズィ)、 Chapati (チャパティ)

東アフリカのおやつの定番

チャパティとマーンダズィは、おやつでもあり食事でもあり、大人も子供も大好きなものです。

このどちらかと、お砂糖たっぷりのチャイがあれば軽い食事になります。
学校帰りの子供達のおやつにも人気です。

チャパティ・ザ・キスワヒリ (スワヒリ風チャパティ)

材料; 小麦粉 カップ 5
お湯 カップ 1と1/4
ギー(又はバター) カップ 1/2
塩 小さじ 1
サラダ油(又はショートニング)適量
作り方; 小麦粉とお湯を合わせ、油大さじ 1 ほどを加えてこねる。
パンをこねる容量でしっかりこね上げたら、30分以上寝かせる。
その後、適当な大きさに切り分ける。
切り分けたものをめん棒で薄くのばし、片面に油少々を塗る。
端から巻き上げて細長い棒状にし、これを渦巻きデニッシュの容量でくるくる巻いて丸くし、最後の端を中心にさし、また暫く寝かせる。
もう一度丸く薄くのばし、油を引いていないフライパンで焼き始める。
片面が焼けたら、裏返し片一方も焼く。
両面が程良く焼けたら、油ごく少量を両面に塗り、焼き上げる。
この容量で次々焼いて行くが、つぎのを焼き始めるときには必ずフライパンの油を軽く拭き取ること。また、焼き上がったものは上へ上へと重ねていき、冷めないようにする。
トピック; 東アフリカで、単にチャパティといえばこのタイプをさすことが多い。
パーティーの時には何十枚と焼くこともあるが、手慣れたもので次々と仕事が運んでいくのは職人技。
また、本当に気の張るパーティーの時は、単に丸く伸ばすだけではなく、綺麗な丸に切り整えることもあると言う。
小麦粉を全粒粉にかえて作るインド風のものも美味しい。作り方はまったく同じ。

チャパティ・ニェンバンバ (揚げチャパティ)

材料; 小麦粉 カップ 1
お湯 少々
ギー(又はバター) 小さじ 1
塩 小さじ 1/4
サラダ油(又はショートニング) カップ1/2
作り方; 小麦粉、ギー、塩ををボールに入れ、お湯も加えこねる。
耳たぶほどの堅さにこね上げたら、適当な大きさに切り分け、めん棒を使い薄く、丸く伸す。(出来るだけ薄くのばすこと)
サラダ油を熱した中に一枚一枚入れ、手早く揚げる。軽く色づいたら裏返し、両面を揚げる。
トピック; ムチューズィだけではなく、焼いたお肉や魚など、何とでも合うし、簡単にできあがる。
粉をこねるとき、コショウ(私の好みは粗挽きのもの)を一緒にこねると、もっと美味しくなる。但し大人向き。

チャパティ・ザ・マジ (流し焼きチャパティ)

材料; 小麦粉 カップ 1/2
塩(又は 砂糖) 適量
水 カップ 3/4
作り方; 小麦粉と塩(又は 砂糖)、水を切り混ぜる。
油を引いたフライパンに、適量を丸く流し、焼く。
トピック; 食事というよりも、おやつ向きのレシピ。おやつ用には、お砂糖を入れることが多い。

チャパティ・ザ・キスリランカ (スリ・ランカ風チャパティ)

材料; 小麦粉 カップ 1/4
バター 少々
ココナツ・フレーク 1/4キロ (又は、ココナツ・ミルク)
塩 小さじ 1/4
作り方; 油を引いていないフライパンで、小麦粉をゆっくり、薄いきつね色になるまで煎る。
粉と、ココナツ、塩、バターを適量のお湯で、こねる。粉が煎ってあるので若干こねにくいが、上手くまとまるまでこねる。
適当な大きさに切り分け、めん棒で丸く伸ばす。
たっぷりの油で、炒め揚げる。(チャパティ・ニェンバンバと同様)
トピック; 粉を煎るというひと手間はかかるが、香ばしい風味で大変美味しい。
また、普通のチャパティを粉臭くを感じる人にもよい。

マーンダズィ・ヤ・ナズィ (ココナツ入り揚げパン)

材料; 小麦粉 1/4キロ
卵黄 6
ギー(又はバター、マーガリン)大さじ 2
バニラ・エッセンス 少々
砂糖 1/4キロ
ココナツ・クリーム
作り方; 小麦粉、砂糖、卵黄、ココナツ・ミルクをよく混ぜ合わせる。
状態を見て、適当に水を加えて、パン・ケーキ種程度のかたさに練り、バニラ・エッセンスを加える。
ギーを熱し、種を適量流し、火を止め、下面が色づくまで待つ。
裏返し、上から種を少し足し、色づくまで待ち、もう一度裏返して火が通れば焼き上がり。
トピック; 柔らかい種なので、スプーンですくって、落とし揚げにしても簡単でよい。

マーンダズィ・ヤ・イリーキ (カルダモン入り揚げパン)

材料; バター(又は マーガリン) カップ 1
砂糖 大さじ 5
卵 大きいもの 2
ミルク カップ 1/2
カルダモン・パウダー 小さじ 2
ベーキング・パウダー 小さじ 2
全粒粉 カップ 4と1/2
水 カップ 1/2
サラダ油 カップ 6
作り方; バターと砂糖をクリーム状に練る。
卵とミルクを加えさらに練る。
カルダモンとベーキング・パウダーを加え混ぜ、さらに小麦粉と水を加えて混ぜる。(柔らかすぎた場合は、粉を増量する)
丸形で抜くか、三角にナイフで切り分ける。(ドーナツとまったく同じ要領)
サラダ油を熱し、きつね色に揚げる。
トピック; このレシピは、かなり高級なマーンダズィです。
通常は、バターの替わりに少量のショートニング、ミルクの替わりにお水、卵の量ももっと少な目でしょう。

チャパティ好きの独り言

チャパティとマーンダズィは、東アフリカではポピュラーな食べ物です。普段にも、パーティーの時にも用意されます。
子どもたちは、日本の子供達が最初のお料理、お菓子づくりとしてクッキーを覚えるように、チャパティやマーンダズィを覚えます。最初に覚えるときは、難しいテクニックのいらないチャパティ・ザ・マジや、落とし揚げのマーンダズィから覚えます。

チャパティは、作り方をまだ知らなかった頃、たぶんこんなやり方だろうと思って作ったのは、チャパティ・ニェンバンバのやり方でした。これを揚げずに焼いていたのです。でも、どうしてもチャパティ独特の層にならず、何でかなぁ・・・と思っていました。
ある日親戚の家に行ったところ、お手伝いさんがチャパティを作るというので、早速見学させてもらいました。そうしたら、油を塗って、くるくる巻き上げてという、チャパティ・ザ・キスワヒリのレシピだったのです。納得、納得、どうりでパイのような層になるはずです。
チャパティ・ニェンバンバは、ちょうどインドのプーリーのような感じに上がります。好みでしょうが、私はスワヒリ風が好きです。

朝ご飯にチャパティを食べるお家は多いようです。その場合、塩味ではなくお砂糖味にする家庭も多いようです。特に子供は悦びます。
昔々、ナイロビのケニャッタ・コンファレンス・センターの回転レストランで、デザートにクレープ を頼んだら、チャパティにジャムを塗ったようなものが出てきて弱ったことがありました。それを思い出して、朝ご飯用のパンを焼けなかった日に、チャパティ・ヤ・マジを作ってジャムやチョコレート・ペーストを塗ったら、子供達には大受けでした。

初めてタンザニアへ行ったとき、夜に車で走っていたら、ちょうど念仏寺のお供養の時のように、道ばたにろうそくやランプの灯が続いていて、何かしらと思ったら物売りでした。工場街を出たところに、チャイやマーンダズィ、チャパティ、揚げたお魚などを売る人が、並んでいたのです。つぎの朝行くと、出勤時間にあわせて、やっぱり同じようなものを売っていました。みんな、そこで朝ご飯を食べて仕事に入るそうです。
交通事情が悪いダレサラームで、早くに家を出て職場に向かう人たちには、とても便利なもののようでした。

総体的に、東アフリカの人はお酒をよく飲みますが、日本のお酒好きの人の多くが甘いものが苦手なのに反して、アフリカのお酒のみには甘いものも大丈夫という人が多いです。大きなおじさんが、甘いチャイとマーンダズィをほう張っているのを見ると、ほほえましいというか、滑稽というか。日本の昔もそうだったのでしょうが、甘いものはご馳走ですよね。
スワヒリ語では、美味しいという言葉と、甘いという言葉が、どちらも同じ「TAMU」です。甘い物好きとしては納得ですが、、、。