Africa想い出部屋

ニャマ・ヤ・クチョマ、ミスィカキ

東アフリカ風バーベキュー

Nyama ya kuchoma (ニャマ・ヤ・クチョマ)、Misikaki (ミスィカキ)
お肉のお料理は、とてもシンプルで美味しいものが多いです。
単に焼いているだけなのですが、ほんとうに美味しいのです。

お肉の種類は、ポピュラーな牛肉、鶏肉、そして山羊や羊。
山羊のソーセージも、とても美味ししかったのを覚えています。
それらを塩だけでシンプルに焼き上げたものが、みんなの大好物。

野生動物のお肉は、観光客をターゲットにしたようなレストラン以外ではあまり食べられませんから、念のため。

ニャマ・ヤ・クチョマ(焼き肉) 別名;ニャマ・チョマ

材料; 肉 1キロ
塩 小さじ 1
唐辛子 2
作り方; 炭を、煙が出ない程度まで十分おこしておく。
肉は肉たたきでたたいてから、適当な大きさに切る。
金網の上で何度も返しながら、焼き上げる。
トピック; お肉の種類は、何でもOK。部位も好みのものでよい。
炭火の火力を見極め、お肉の大きさを考えて切る。

ミスィカキ (串焼き肉)

材料; 肉 1キロ
ライム 1/2
塩 小さじ 1
粉唐辛子 適量
作り方; 肉を一口大に切り、塩とライム粉唐辛子の絞り汁をまぶし、2~3時間寝かせる。
肉を金串に刺し、炭火か、オーブンで焼く。
トピック; 肉は種類を問わない。また、肉の替わりにレバーでも美味しくできる。
タマネギのすり下ろしやショウガの絞り汁を加えても美味しい。

ニャマ好きの独り言

タンザニアで ”バー” というとき、ビールやソーダ類を飲ませる場所というだけで、綺麗なお姉さんもいなければ、しゃれた装飾もない、そんな場所のことが多いようです。では、そこにビール以外になにがあるのかといえば、バーの片隅に、お肉を焼くコーナーがあるのです。

初めてタンザニアに行ったとき、ダレサラーム大学の教職員用のクラブに連れていってもらいました。芝生の庭でビールを飲みながら「もうすぐお肉が来るからね」といわれ、蚊に食われた痒い足を我慢しながら待つこと暫し、運ばれてきたのが ”ニャマ・ヤ・クチョマ” でした。しかも、生まれて初めて食べる山羊のお肉でした。これがまた美味しいのなんの。筆舌に尽くしがたい味というのはこれだと思いました。これが私の山羊肉フリークへの道の始まりでした。

たいての焼き肉コーナーでは、山羊肉や牛肉がつるしてあり、「ここを焼いて」と指定して焼いてもらいます。焼き上がりを待つ間に、もうみんな飲み始めるわけですが、混んでいたりすると結構待たされます。そして焼き上がったお肉は、カチュンバリと唐辛子、お塩を添えてお皿に盛られて運ばれてきます。そのとき、お店によっては、指先洗い用のお湯も持ってきてくれます。水差しに入れたお湯をボールで受けながら流してくれますので、それで指先を洗ってから食べ始めるのです。食べ終わったときも、同じようにお湯と石鹸を持ってきてくれます。お湯っていうのが良いでしょう? これは、お肉を焼いている火の側に大きな鍋を置いて沸かしているものです。

時々、新しくできるお店で オーブン焼きのお肉が売り物のお店が出来たりもしましたが、たいていの場合は炭火焼きが美味しいということで、人気はいまいちということが多かったです。焼く人によって出来上がりが違うので、それぞれに好みのお店があったりもします。私も、牛肉が食べたいときはここ、山羊だとどこそこ、鶏はあそこという具合に、お肉の種類によって行くお店をかえていました。ビールを飲まない私としては、お肉にこだわり(?)があったのです。

こういうお店のうち何軒かは、日曜だけの特別メニューがあったりもします。それはたいてい、特製スープでした。特に、山羊の内臓を使ったスープを出すお店が、私のお気に入りでした。単に内臓肉を塩味で調理したスープもありましたが、それに山羊の血を入れたスープがとても美味しいのです。これを出すお店はごくごく限られていました。というのも、新鮮なものでないと出来ないからです。

新鮮といえば、日本の場合、お肉は寝かせて熟成させてから店頭に並べますが、東アフリカでは早朝に処理したお肉が即店頭に並びます。お魚と同じで、フレッシュなものが美味しいといいます。熟成していませんからお肉そのものは堅いです。でも、東アフリカのお料理用には、たぶん、その方が美味しいのでしょう。私は、食事というものは、その土地のものがその土地で一番美味しいと固く信じるタイプですから。

ナイロビの友人の家に泊まっているとき、ナイロビ国立公園のそばの、小綺麗な焼き肉バーに連れていってもらいました。牛・豚・山羊・鶏だけではなくお魚まであり、清潔感はありましたが、焼き肉屋さんとラーメン屋さんは同じ。小汚いほど美味しいと思いません?

ダレサラームで私が好きだったお店は、方向音痴なので、、、
たぶんシェキランゴという通り沿いだったと思うお店。仲人さんの家に近いこともあって、よく行きました。キマラへ行く通りに沿ったお店の鶏は絶品でした。オイスター・ベイにあったクラブの、通称「爆弾」というスープ。これは山羊の内臓で作ったソーセージのようなものが入ったスープで、唐辛子が利いて、とても美味しかったです。

ナイロビでは、カリアコーの中の薄汚い焼き肉屋さんの中の1軒も、美味しかったです。ここでは山羊のお肉だけでなく、キクユの食べ物も一緒に出されるセット・メニューにもなっていました。シティー・マーケットの裏のところにも、山羊肉を焼いているお店が何軒かあって、ナイロビにいるときには、よく買って帰って食べていました。ここではもうすでにたくさん焼いているので、好きなところを選んで切ってもらいます。スープも売っているようですが、まだ試したことはないのが残念です。

ダレサラームにいる頃、仲人さんのオフィスの前に、ミシカキ屋さんが出ていました。これは違法な出店ということで、時々警官や市の人が来て強制撤去をするのですが、翌日にはまた元通り営業しているというような状況でした。そんなお店というか屋台ですから、仲人さんや夫は、私がここのお肉を食べるのを許しませんでした。でも、私は何回も食べたことがあるのです、ここのお肉。

街に出たとき、夫と仲人さんが、私をオフィスに残して外出することがよくありましたが、そんなとき、秘書の女の子達が、私にそれを買ってくれるのでした。確かに、新聞紙にくるまれて来るお肉とカチュンバリに、最初はとまどいもしましたが、断るのは悪いかなと思って、一度食べたら怖いもの無し。そのうちに、今日は私がおごるから買ってきてと言うこともありました。
ある時、私のおごりで皆で食べているところへ、運悪く男性二人が戻ってきてしまったのです。当然しかられました。なんと、仲人のトムさんは、そのお肉を捨ててしまったのです。
私は一生恨むよ、トム!