スワヒリ語教室

特徴的発音

N音は、日本語とは全く違います。
例えば「TANGO」という語を音節で区切る場合、日本語では「TAN-GO」となりますが、スワヒリ語の場合は「TA-NGO」 となります。
有名なキリマンジャロ山も、日本語では「キリマン/ジャロ」と区切りますが、現地では「キリマ/ンジャロ」 となります。
音の強さも、決して日本語の「ン」つまり「ウン」ではありません。
以前、ワープロ専用機でテキストを作っていた頃、全角カタカナで読み方を書いていたのですが、このN音は半角表示にして、感じを表していました。

鼻濁音は、日本語の鼻濁音というのは語頭には来なかったと思いますが、スワヒリ語の場合は語頭にも来ます。
「ng’」と表記されているものがこれにあたります。
意識しすぎると、「’」がつかない「ng」まで鼻濁音にしてしまいがちです。
関西弁には鼻濁音がないと、昔、演劇部の発声練習の時に、顧問の先生から聞かされたことがあります。アフリカでも、地域によっては鼻濁音がないそうです。

U音の差は、あえて書くなら、日本語では「ウ」、スワヒリ語では「ウゥ」というところでしょうか。
小学生が読み方を習うとき「ア・エ・イ・オ・ウゥ」というのがとても可愛いものでした。子供独特の語尾の強調分を差し引いても、十分インパクトのある「ウゥ」でした。
どなたかスワヒリ語の先生が、日本語をローマ字表記するときに、「・・・です」というのを、「・・・ DESU」としないで 「・・・DES」の形を取っておられたのが記憶にあります。確かに取消線を使わないままに書けば、「・・・ですぅ」となってしまうでしょう。

付け加えれば、英語でも指摘される 「R」 と「L」 の区別です。
旅行雑誌のなかには、ケニヤ人も区別できない人がいるからOKよ、なんて書いてあるものもありますが、彼らもしっかり区別していますから、誤解のないように付け加えます。
確かに、たとえばケニャのキクユ人の中には、区別できない人もいます。
これはキクユ語に「L]音が存在しないからです。
母語にないものは、後に会得するのは難しいということでしょう。

「TH」の音は、英語の think の音と同じなのですが、キクユの人たちの多くは with の音で発音します。これも think のTH音がキクユ語にないからだと思います。

ちなみに、スワヒリ語には日本語の 「つ-tsu」 が存在しません。私の名前 etsumi は、多くの場合「エスミ」と呼ばれました。けれどもタンザニアのチャガ人には、この音は問題ありませんでした。なぜならチャガ語にはこの 「tsu」が存在しましたから。

これらは、英語が達者な人たちでは、全く問題なく発音されていました


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